偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
「んんー!? ひょっほぉ(ちょっとぉ)!」

 頬張ったままでうまく喋れなかった。
 飲み込んでから写真を見ると、膨れた頬。見事に口の周りに生クリームがついていた。

「ちょっと、消して消して!」
「リアに送ってあげるから、お兄さんに見せてみたら?」
「だ、だめー!」
「ふふ、良かった。リアが元気で」

 面白がるジェシーを止める私。
 それを見て微笑むモニカ。
 ようやく取り戻した平穏な日々を、私は幸せに思う。

 お兄様も仕事に集中できるようになり、
 叔父様は変わらず自宅でカウンセリングをしていると聞いた。
 ポポロム先生も、病院で患者に向き合う日々。
 そして時々、テオの様子も見てくれているらしい。

 だけど、私たちはまだ知らなかった。
 この幸せの裏で──あんな事が起きているとは、想像もしていなかったのだ。

 
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