偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜

 

 数日後──


 プルルル
 しんと静まり返る真夜中、ポポロムのスマホの着信音がけたたましく鳴った。
 
「ん……こんな夜中に……。急患か……?」

 急患自体は珍しくない事だったが、ポポロムに電話がかかってくることは稀だった。
 人手不足なのだろうかと、寝ぼけ眼でスマホを取る。

「もしもし……」

『先生、すみません! 精神科のテオドールさんが逃亡しました!』

「……えっ!?」
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