偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
第五章 真実
27・思い出の場所
「う……うああああああああっ!!」
脂汗をかいて飛び起きる。
嫌な夢を見た。あの時の夢を。
『テオドールさん、どうしました?』
スピーカーから職員の声が聞こえる。
本当に、二十四時間監視されているのが腹立たしい。
夢くらいまともに見させてくれ。
でなきゃ、何のために──。
あの時、母さんはなんて言ってたんだっけ……。
「…………」
行かなければ。
母さんが望んだ、あの場所へ──。