偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜


 
(まさか、リアさんとアルフさんのところに……!?)

 ポポロムは焦ったが、すぐに落ち着きを取り戻した。
 テオにはこういう時のためにGPSをつけてあるので、居場所はすぐにわかる。

「GPSの画像と、該当する住所を送ってください。僕と、テオさんのご家族で追いかけます」

『は、ハイ……!』

 スタッフにそう伝えると、着替えている間にスマホにデータが送られてきた。
 開くのが怖い気もするが、ためらっている場合ではない。
 画像は、ポポロムも知っている土地の一点を赤く示していた。

「ここは……まさか……」

 慌てて隣のカルステンの部屋に飛び込み、揺り起こした。

「う、ん? なんだ……?」
「叔父さん、テオさんが逃げ出したそうです。今からアルフさん達と追いかけます!」
「えっ!?」

 さすがのカルステンも、一気に目が覚めたようだ。

「俺も連れて行ってくれ。場所は……!?」

「自殺の名所……ヘイロ岬です……!」

 
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