偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
“なんで”?
自分の意思でここへ来たのではないのか? と訝しんだ。
「俺は、良くなっているはずだよ。先生の言う通り、投薬もして……。なのにさ、なんでかな……」
苦しそうに表情を歪め、
「良くなってると実感するたびに、母さんが出てくるんだよ……」
初めて母親の話を吐露した。
「ねえ、先生。俺、まともになってるんだよね……?」
胸の辺りで病衣を握り締め、今にも頽れそうになりながら、
「先生の言う、“まとも”になってるんだよねぇっ!?」
テオはついに悲痛な叫びを上げた。
自分の意思でここへ来たのではないのか? と訝しんだ。
「俺は、良くなっているはずだよ。先生の言う通り、投薬もして……。なのにさ、なんでかな……」
苦しそうに表情を歪め、
「良くなってると実感するたびに、母さんが出てくるんだよ……」
初めて母親の話を吐露した。
「ねえ、先生。俺、まともになってるんだよね……?」
胸の辺りで病衣を握り締め、今にも頽れそうになりながら、
「先生の言う、“まとも”になってるんだよねぇっ!?」
テオはついに悲痛な叫びを上げた。