偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜

28・罪悪感

 ここにいる全員が。
 彼のこんな表情を見るのは初めてだった。
 どんな時も喜色を見せていたテオが初めて見せた本心に、誰もが言葉を失った。

 ポポロムは愕然とした。

(僕は、間違えた……⁉︎)

 テオの心の闇を、真実をよく知らないまま治療してしまった。

(これではダメだ……! テオさんは、ますます壊れてしまう……!)

 そう思っていた時、ポポロムの前に立ったのはリアだった。

「テオ!」

 リアは、テオを刺激しないよう懸命に笑顔を作った。

「テオ、一緒に帰ろう……? 私は、テオを信じてるよ……」

 そんなリアの優しささえも突き放すように、テオはすでに笑顔を作れないでいた。

「姉さんさぁ……。『信じる』って、俺のなにを信じてるの?」
「え……?」

 問われてリアは、一瞬ためらってしまう。

「テオは……明るくて……。いい子で……誰とでも友だちになれて……だから……」

(きっと、良く、なって……)

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