偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 それがどういう意味なのか、リアにもわかってしまった。
 言っている間にもテオは崖の(ふち)に立ち、海に背を向けている。

「テオッ!!」

 もう間に会わない、誰もがそう思った。
 しかし一早く反応したのは、アルフレッドだった。
 アルフレッドは、考えるよりも先に走り出していた。
 リアのためにもテオを死なせてはならない。そして、今度こそテオと向き合うと決めた自分のためにも。

 絶望の淵、既のところでテオの手を掴み二人はその場に倒れ込んだ。

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