偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
「ここはね、俺と母さんが来るはずだった場所」

 落ち着きを取り戻したテオは、海を見ながらぽつりぽつりと話し始めた。

「え……?」
「当時は知らなかったけど──ここ、自殺の名所って呼ばれてるんだってね」

 こんなの笑うしかないじゃん、とでも言いたげにテオは寂しそうな笑顔になった。
 それを聞いたリアは、きゅうっと胸が締め付けれられた。
 ポポロムとカルステン、ディルクも離れた場所でそれを黙って聞いていた。

「ああ、母さんは、本当に俺と心中したかったんだなぁ……って」
「どういう、ことだ……?」

 傍で聞いていたアルフレッドが、眉を顰めた。
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