偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
*
「それじゃあ、テオは……」
「正当、防衛……」
アルフレッドは、あの現場を見た時にテオが母親の背中を押したものと思っていた。
しかし、真相は違った。
レナーテが何らかの原因でテオの首を絞めたのだ。
だが、そこがわからない。あの優しかった母が、『自分たちが不幸になる』という理由でそこまでするのかと。
「やだな……。何、言ってるの兄さん……。俺、何もしてないよ……。母さんが、足を滑らせて落ちちゃったんだ……」
テオの貼り付いた笑顔が崩れていく。
「俺、何も……なにも……」
認めたくなくて何年も自分を誤魔化してきた気持ちは、記憶を失くしていたリアにも痛いほどわかった。
テオの顔を抱きしめた胸の辺りは、涙でじわりと滲んでいた。
「誤魔化すな!!」
まるで自分に言い聞かせるように、アルフレッドは叫んだ。
「誤魔化すから辛いんだ! 受け入れるのが怖いなら、俺もリアもいる!」
「それじゃあ、テオは……」
「正当、防衛……」
アルフレッドは、あの現場を見た時にテオが母親の背中を押したものと思っていた。
しかし、真相は違った。
レナーテが何らかの原因でテオの首を絞めたのだ。
だが、そこがわからない。あの優しかった母が、『自分たちが不幸になる』という理由でそこまでするのかと。
「やだな……。何、言ってるの兄さん……。俺、何もしてないよ……。母さんが、足を滑らせて落ちちゃったんだ……」
テオの貼り付いた笑顔が崩れていく。
「俺、何も……なにも……」
認めたくなくて何年も自分を誤魔化してきた気持ちは、記憶を失くしていたリアにも痛いほどわかった。
テオの顔を抱きしめた胸の辺りは、涙でじわりと滲んでいた。
「誤魔化すな!!」
まるで自分に言い聞かせるように、アルフレッドは叫んだ。
「誤魔化すから辛いんだ! 受け入れるのが怖いなら、俺もリアもいる!」