偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
「何、自分だけいい人のフリして終わろうとしているわけ?」

 テオはリアから離れ俯き加減で、その人物の方向を見ていた。
 何事かと、リアもアルフレッドも、少し離れたポポロムもテオに注目する。

「テオ……?」
「俺さあ、そういうの、一番許せないんだよね」

 テオは、にっこりと笑って顔をまっすぐ向け言い放った。

「ねぇ、“お父さん”」

「えっ……!?」

「おとう……さん……?」

 リアとアルフレッドは、テオの見た方向に首を向ける。
 その視線の先にいた人物は──。

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