偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
30・19年前。レナーテ*
19年前──
「やあ、いらっしゃい。ダニエル、レナーテ」
「おお、久しぶりだな、カール!」
「久しぶりね」
戦争が終わって約一年、ダニエルは家族でカルステンの家を訪問していた。
二人は戦場ぶりである。
レナーテとカルステンは昔、同じ大学の研究室にいたが、会うのは結婚式以来だった。
「こんにちは」
5歳になったアルフレッドが、ぺこりと挨拶する。
「アルフレッド君、大きくなったなぁ。……で、こっちが……」
「ああ、あの時の赤ん坊だ」
「リアと名付けたわ」
カルステンと向かい合うように、リアを抱き上げた。
まだ1歳のリアは、人見知りせずにカルステンに手を伸ばす。
レナーテは、戦場で放置されていたリアの保護をダニエルに頼んだのは、カルステンだと聞いていた。
ダニエルが赤ん坊を抱いて帰って来た時には驚いたものである。
「リアちゃんか。将来が楽しみだな。おーい、ポポロム!」
「やあ、いらっしゃい。ダニエル、レナーテ」
「おお、久しぶりだな、カール!」
「久しぶりね」
戦争が終わって約一年、ダニエルは家族でカルステンの家を訪問していた。
二人は戦場ぶりである。
レナーテとカルステンは昔、同じ大学の研究室にいたが、会うのは結婚式以来だった。
「こんにちは」
5歳になったアルフレッドが、ぺこりと挨拶する。
「アルフレッド君、大きくなったなぁ。……で、こっちが……」
「ああ、あの時の赤ん坊だ」
「リアと名付けたわ」
カルステンと向かい合うように、リアを抱き上げた。
まだ1歳のリアは、人見知りせずにカルステンに手を伸ばす。
レナーテは、戦場で放置されていたリアの保護をダニエルに頼んだのは、カルステンだと聞いていた。
ダニエルが赤ん坊を抱いて帰って来た時には驚いたものである。
「リアちゃんか。将来が楽しみだな。おーい、ポポロム!」