偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 カルステンはポポロムを呼ぶ。
 当時9歳のポポロムは、ようやくカルステンに心を開いたばかりだったが、まだ表情は硬い。

「……なに?」
「こないだ言っていた、ゴンドル族の女の子だ。リアちゃんって言うらしい」
「リアちゃん……」
「ほら、リア。ポポロムお兄ちゃんよー」

 今度は、ポポロムとリアを対面させた。
 リアの小さな手が、ポポロムの指を掴む。

「ぽーぽー」
「あら、名前を呼んでいるみたいね」

 そう言うと、ポポロムは少し照れているようだった。

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