偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
「俺、てっきり兄さんは姉さんのこと好きなんだと思ってた。でも、そんなこと間違ってる!」
「だ……だよねー! やっぱりそうだよねー!?」
良かった、テオは私と同じ気持ちでいてくれた。
それだけで、心強かった。
「でも、逃げるってどうやって? それに、お兄様にバレたら……」
「俺、今日は車だし! 大丈夫、大学の友だちとよく行く秘密基地があるから、そこなら、兄さんも知らない場所だよ!」
テオに言われても、私はまだ不安で、すぐに答えられなかった。
「姉さん、考えてる時間はないよ!」
「本当に、大丈夫かな……。バレた後が、怖い……」
「何かあったら、俺が姉さんを守るよ。兄さんからだって!」
「テオ……。わかった、行こう」
テオに勇気づけられ、私は車に乗り込んだ。テオがいつも家に帰ってくる時に乗ってくる、真っ赤なスポーツカーのレンタル車だ。
逃げると決めたはいいけど……。やっぱり、テオと一緒にいる、くらいは連絡しておいた方がいいだろうか……?
一応、今夜は家族三人で過ごす約束をしていたし……。
カバンからスマホを取り出して、時間をチラリと見た。
午後3時50分──。
義兄は、まだ仕事の時間だ。
私は、唇を引き締めて、スマホをカバンの中に戻した。
──お兄様なんて、私がいなくなって狼狽えればいいんだわ。
「だ……だよねー! やっぱりそうだよねー!?」
良かった、テオは私と同じ気持ちでいてくれた。
それだけで、心強かった。
「でも、逃げるってどうやって? それに、お兄様にバレたら……」
「俺、今日は車だし! 大丈夫、大学の友だちとよく行く秘密基地があるから、そこなら、兄さんも知らない場所だよ!」
テオに言われても、私はまだ不安で、すぐに答えられなかった。
「姉さん、考えてる時間はないよ!」
「本当に、大丈夫かな……。バレた後が、怖い……」
「何かあったら、俺が姉さんを守るよ。兄さんからだって!」
「テオ……。わかった、行こう」
テオに勇気づけられ、私は車に乗り込んだ。テオがいつも家に帰ってくる時に乗ってくる、真っ赤なスポーツカーのレンタル車だ。
逃げると決めたはいいけど……。やっぱり、テオと一緒にいる、くらいは連絡しておいた方がいいだろうか……?
一応、今夜は家族三人で過ごす約束をしていたし……。
カバンからスマホを取り出して、時間をチラリと見た。
午後3時50分──。
義兄は、まだ仕事の時間だ。
私は、唇を引き締めて、スマホをカバンの中に戻した。
──お兄様なんて、私がいなくなって狼狽えればいいんだわ。