偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
***

 
 レナーテの葬儀が終わった後、カルステンの勤務する病院にダニエルとテオドールがやってきた。
 一体、何の用だと気が気でならなかった。
 もしかしたら、自分とレナーテの関係がバレたのではないか。
 いや、そうとは限らない。
 カルステンは、複雑な気持ちでまずダニエルだけを診察室へ入れた。

「ダニエル……。レナーテの事は、本当に残念だった……」
「それなんだがな、カール。アルフレッドがテオドールを疑っている」
「え……?」

 ダニエルは、息子(アルフレッド)から聞いた話をカルステンに伝える。

「しかし、俺が見た限りテオドールの態度は変わらないし……。おまえの診察で何かわからないかと思ってな」
「わかった。まずはテオ君と二人で話をさせてくれ」

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