偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
「ひどい……ひどいです、叔父様……」

 リアは養母(レナーテ)の気持ちになって涙が溢れている。
 カルステンは、これ以上言い訳じみた説明をするつもりはなかった。
 罪を認め、罰を甘んじて受けるつもりだ。

「ああ、何度でも言ってくれ……。君たちには、何を言われても仕方がない……」

「でも、それでカールさんは責任を感じてリアを守ってくれた。テオを入院までさせてくれた。その点については、感謝します」

 アルフレッドが、複雑な表情で言った。
 許されるわけがないのはわかっている。
 それでも、カルステンはその言葉に救われたような気がして「……すまない」と一言だけ返した。

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