偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
「……まあ、なんだ。やはりテオドール君には、一度話を聞かなければならないな。カール、おまえもだ」

 ディルクが、喝を入れるようにカルステンの背中を叩く。

「病院へ戻ったら、先生も立ち会いをお願いしますよ」
「……わかりました。テオさん、行きましょう」

 ポポロムが優しく促すが、テオは怯えた様子でリアとアルフレッドから離れようとしない。

「……俺、どうなるの? せっかく良くなってきたのに、また逮捕されるの……? 兄さん、姉さん……怖いよ……」
「テオ……」

 テオの言葉にリアはどうすればいいかわからず、ただテオを抱きしめるしかできなかった。
 アルフレッドも、それを見守るしかできないでいた。

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