偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 ──ダニエル……レナーテ……
 本当にすまなかった……!
 自業自得とはいえ……

 ダニエル、俺はおまえとの約束を守れただろうか……?
 まだまだ、これからもあの危なっかしい子ども達を見守っていくから……
 そっちに行くのは、もう少し待ってくれよな──

 カルステンは岬から海の向こうを見つめ、そう心の中で呟いた。

 ディルクは、黙ったままカルステンとテオを促す。
 二人とも大人しくディルクの車に乗り込み、一足先に病院へ戻った。

 
「アルフさん、リアさん。しばらくは、テオさんに介入しない方がいいでしょう。もちろん、家族としての愛情は必要ですが……。適度な距離を保ってください。では、また。今回はありがとうございました」

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