偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
「……え?」
「兄さんの好きな姉さんが、たまらなく好きで」
「テ、オ……?」

 テオの様子がおかしい。
 腰に回された腕の力が、どんどん強くなっていく。

「それをめちゃくちゃにするのが、たまらなく好き♡」

 おかしい、と思った時にはもう遅かった。
 強い力で、薄汚れたソファに押し倒された。

「テオ! テオ、やめて!!」

 逃げられない……!
 一体、どうしたの、テオ!?
 テオは、あんなに明るくて、楽しくて────

 力も、恐怖も、お兄様の比じゃない──!

「やっと、俺のものになってくれた♡」

 テオはいつもの無邪気な笑顔で、私の服を引き裂いた。

「いっ……いやああああああああああ!!!!」

 私は、義兄に求められ、

 義弟(テオ)に裏切られ、

 何を信じたらいいのかわからなくなった。

 そして。



 意識が、途切れた。
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