偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 結婚生活にも慣れてきた頃──

「兄さん、姉さん、ただいま」

 テオが1日だけ、許可をもらって家に帰ってきました。

「おかえりなさい、テオ」

 私は、再会のハグをしようとしたが──

「あ……。勝手に触っちゃダメって、先生が──」

 テオが寂しそうに手を引っ込めた。
 きちんとポポロム先生の言うことを聞けるようになって、すごい……!
 ここまでにしてくれた先生に感謝しなければ。

「ふふっ、今だけ、再会のハグならいいわよ」
「本当? 姉さーん」

 テオは、無邪気に抱きついてきた。
 私の知っているテオは、昔からこうだった。

(だけど、押しつけちゃ……いけないんだよね……?)

 あの時──ヘイロ岬での出来事を思い出す。

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