偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 ──テオは、
 テオだけじゃない、私たちは。
 いろんな側面を持っている。
 それを、受け入れなければならない。

 今までの出来事が、フラッシュバックしていく。

「あー。兄さん、ヤキモチ妬いてるの?」

 心配そうに見ていたお兄様に向かって、テオが言った。

「なっ……ちが……!」

 お兄様は否定したが、私にもテオにも、昔からバレバレなのです。

「しょうがないなぁ。兄さんも♡」
「えっ……」

 テオは、同じようにお兄様に抱きついた。
 お兄様は観念したのか、苦笑しながらテオの背中をポンポン叩く。
 
「…おかえり、テオ」
「ただいま♪」

 私たちは、兄弟水入らずで1日を過ごし──そして夜になった。

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