偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
「テオ、リアから離れろ!」
「離れたら姉さんがまた痛くなっちゃうよ? どうする? 兄さんが俺の隣に来て俺を止めてる? それとも、姉さんの隣に行って抱きしめてる? 俺はどっちでもいいよ」

 テオに挑発されて、お兄様は考え込んでしまった。

「兄さん、早くこっちに来てよ♡」
「お、お兄様……助けてください!」
「ど、どうしたらーー!?」

 そんなやりとりが、数十分続いた……。

 数時間後、私はテオとお兄様に挟まれて眠れない夜が続いていた。
 テオと私は、手錠のせいで向かい合って寝るしかないし、お兄様は背中の方から私を抱きしめるようにして眠っている。
 ああ、早く朝にならないかな……。

「姉さん」

 テオに言われて、どきりとした。
 起きていたのか。
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