偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 テオは物心ついた頃から、俺のものをよくほしがった。

「兄さん、僕も兄さんのオモチャほしい」

 幼いテオは、無邪気にそう言った。

「え? テオは、違うものを買ってもらったじゃないか」
「やっぱり、兄さんのがいいーー!」

 幼いが故のワガママだと思い、仕方なく昔はよくオモチャを交換していた。

「兄さん、やっぱりそっちがいい」
「え? この間、交換したばかりじゃないか」
「そっちがいいの!」
「テオ、私のと交換しましょ!」
 
 困り果てていた俺を見かねたのか、リアが間に入ってくれたこともあった。

「兄さんのがいいの!」
「やれやれ……」

 これには、リアも困っていたようだ。

 中学に入った時、進学祝いに父から万年筆をもらった。
 とても書きやすく、大切にしようと思った。
 しかし──

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