偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜

6・追跡 sideアルフレッド

 車を飛ばし、GPSの表示した場所に辿り着く。
 ここは、空き家……か?
 窓から、微かに灯りが漏れていた。

 間違いない、テオとリアはここにいる。
 俺は、音を立てないように扉を開けて奥へと進んだ。
 灯りが漏れていた部屋は、廊下を進んで右手にあった。

「姉さん……」

 そっと扉を開けると、テオの声が聞こえた。
 しかし、姿が見えない。

「姉さーん……」

 見回すと、部屋の奥にある古びたソファの向こう側に、テオの頭だけが見えた。

「ふふ、寝ちゃった? かーわい♪」

 容易に想像できた。
 リアは、おそらくソファの上に横になった状態でいる。
 俺は、武器代わりに持ってきた傘を、テオの頭上目掛けて振り下ろした。

 しかし、テオはその攻撃を、腕で受け止めた。
 気付かれていた……!

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