偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
「テオオオオオオォォォォッッ!!!!」

 自分でも内心驚くほど、腹の底から怒りが込み上げてきた。
 テオに、自分自身に、殺意が湧くほど。

「なんだ、兄さん、ちゃんと怒れるんじゃない。今まで、感情をむき出しにしたことなんてなかったから。ああ……。きっと、俺のせいだね。俺が兄さんを好きすぎて、兄さんのものばかり好きになっちゃったから」

 ああ、そうだ。テオの言う通りだ。
 俺は、昔からテオにすべてを奪われてきた。
 だから俺の感情──特に好意は隠してきた。

「やはり、おまえを野放しにしておいたのは間違いだった……! もう、言い逃れはできんぞ、テオ! 絶対に逃がさない!」

「兄さんさぁ……。そんなに姉さんが大事なら、手を出さずに閉じ込めておけばよかったのに。かごの中の、鳥のようにね……」

 リアが……耐えかねて言ってしまったのか……?

 だが、俺はリアを責められん……。
 すべて、俺が招いてしまった結果だ……!

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