偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
その時、パトカーと救急車のサイレンが聞こえた。こちらに向かって来ている。
警察は、俺が予め呼んでおいたものだ。しかし、救急車は、まさかテオがリアのために……?
「あー。警察呼んでたのかぁ……。じゃあ、仕方ないなぁ……」
テオがこちらに近づいてきて、腹部に蹴りを入れられた。
鈍い音がした気がする。
「ぐっ……!」
「俺さぁ……兄さんに捕まるほどヤワじゃないんだ。あ、救急車、もう一台呼んだ方がいいかもね」
テオは最後の情けか、リアに布をかけ、
「じゃあね、兄さん」
それだけ言って逃げてしまった。
「ぐっ……! ま、て……!」
腹部に激痛が走り、うまく動けなかった。
テオを諦めて、リアに向き直す。
「リ……ア……」
激痛のあまり、気を失ってしまい──
次に目覚めた時は、病院のベッドの上だった。
警察は、俺が予め呼んでおいたものだ。しかし、救急車は、まさかテオがリアのために……?
「あー。警察呼んでたのかぁ……。じゃあ、仕方ないなぁ……」
テオがこちらに近づいてきて、腹部に蹴りを入れられた。
鈍い音がした気がする。
「ぐっ……!」
「俺さぁ……兄さんに捕まるほどヤワじゃないんだ。あ、救急車、もう一台呼んだ方がいいかもね」
テオは最後の情けか、リアに布をかけ、
「じゃあね、兄さん」
それだけ言って逃げてしまった。
「ぐっ……! ま、て……!」
腹部に激痛が走り、うまく動けなかった。
テオを諦めて、リアに向き直す。
「リ……ア……」
激痛のあまり、気を失ってしまい──
次に目覚めた時は、病院のベッドの上だった。