偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
第二章 偽りの生活

7・事情聴取1 sideアルフレッド

「ポポロム先生……。リアは、義妹(いもうと)は大丈夫でしょうか?」

 病室のベッドの上に座ったまま、医者であるポポロム先生に訊ねた。
 俺はあれから意識を失っていたが、肋骨にヒビが入っていたらしく、処置の途中で意識を取り戻した。そして、しばらく入院することになった。

「リアさんの身体の方は大丈夫です。少々傷ついていましたが、早急に処置しましたので、2ヶ月ほど安静にすれば、回復します」

 それは、目に見える外傷だけのことではないだろう。
 ポポロム先生が言いづらいのもわかる。

「ただ、問題は心の方です……」
「そう、ですか……」
「でも、あなたも2週間ほど安静ですよ」
「わかりました」
「とはいえ、リアさんのことは心配でしょう」

 ポポロム先生は、車椅子を用意してくれていた。

「これで、リアさんに、お会いになられますか?」
「……はい」

 正直、怖かった。
 リアは、今どんな思いで一人でいるだろうか?
 俺やテオに傷つけられ、さぞかし恨んでいることだろう。
 
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