偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜

8・事情聴取2 sideアルフレッド

「リアさんのことにつきましては、先生から少し伺いましたので……。あなたと、逃走中のテオドールさんについて聞きたいのですが。あの廃屋で、一体何を?」

「……先生から聞いてないですか?」

 正直言って、思い出したくもない事件なのだ。自分の口からは、あまり言いたくない。

「聞いていますよ。私どもは、各方面から話を聞いて情報を整理しておりますので、アルフレッドさんからのお話も聞いておきたいんです」

 それはたしかに、そうかもしれない。
 俺は、当日の一連の流れだけを説明した。
 そもそも、廃屋で何があったのか、俺の考えは想像でしかない。
 すると、ディルク刑事は、

「まさか、本当にゴンドル族を匿っていたとは……。よく今まで隠し通せましたね」

 と、リアがゴンドル族であることを持ち出してきた。

「……それは、今関係ないのでは?」

「ふふ、これは切り札です。つまり、あなたが何を言おうと、我々はあなたを逮捕する理由を持っている、という事です」

……!

「ちょっと待ってください」

 ポポロム先生が間に入ってくれた。

< 40 / 252 >

この作品をシェア

pagetop