偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
叔父・カルステンは、リビングのソファから立ち上がってアルフさんの肩を叩いた。
長めの黒髪を一つに束ね、今日は二人が来訪するということもあり、カジュアルジャケットで決めていた。
叔父は学生時代からダニエルさんと悪友で、ダニエルさんからはカールと呼ばれていた。20年前の戦争も同じ時期に兵役していたらしい。僕が叔父と出会ったのは、その頃だ。
「葬儀には行けなくて申し訳なかった。足がこんなでなければな……」
「いえ、お気遣いなく……」
叔父は戦争で足を悪くしており、家の中では足を引きずって歩いている。外出となるとまた大変なようで、僕が車を出すことが多い。
「リア、挨拶できるか?」
アルフさんは、リアさんを一歩前に立たせるが、果たして挨拶どころか、反応すらできるかどうか……。
「おお、リアちゃんも綺麗になって──」
叔父が前に出た時、リアさんが青ざめたようで嬉しそうな、複雑な表情に変わった。
「お……お父様っ!!」
「え、えええええええっ!?」
声が出たのはいいが……お父様!?
リアさんは、目にいっぱいの涙を溜め、勢いよく叔父の胸に飛び込んだ。
長めの黒髪を一つに束ね、今日は二人が来訪するということもあり、カジュアルジャケットで決めていた。
叔父は学生時代からダニエルさんと悪友で、ダニエルさんからはカールと呼ばれていた。20年前の戦争も同じ時期に兵役していたらしい。僕が叔父と出会ったのは、その頃だ。
「葬儀には行けなくて申し訳なかった。足がこんなでなければな……」
「いえ、お気遣いなく……」
叔父は戦争で足を悪くしており、家の中では足を引きずって歩いている。外出となるとまた大変なようで、僕が車を出すことが多い。
「リア、挨拶できるか?」
アルフさんは、リアさんを一歩前に立たせるが、果たして挨拶どころか、反応すらできるかどうか……。
「おお、リアちゃんも綺麗になって──」
叔父が前に出た時、リアさんが青ざめたようで嬉しそうな、複雑な表情に変わった。
「お……お父様っ!!」
「え、えええええええっ!?」
声が出たのはいいが……お父様!?
リアさんは、目にいっぱいの涙を溜め、勢いよく叔父の胸に飛び込んだ。