偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜



「お待たせしました。さあ、いただきましょうか」

 リアさんを連れて、リビングに戻ってきた。
 せっかくのスープが冷めてしまったが、こればかりは仕方がない。

 叔父が用意してくれていた軽食とスープを食し、一息ついたところで僕は気になっていたことを訊ねることにした。

「リアさん……。ちょっと聞きたいのですが」
「はい」
「テオさんのことを、どう思っていますか?」

 テオさんの名前を出した途端、アルフさんも叔父も目を開いて驚いた。
 リアさんの傷口を抉ることになるかもしれない。
 しかし、これは聞いておかなければならないことだ。

「テオですか?」

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