偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 買い物を終えた二人の後をつけると、駐車場で車に乗り込み、E地区方面へ走り去っていった。

 この方向……ああ、なるほど。
 あの家(・・・)にいるんだ。

 車を追いかけるのは無理だけど、大体の場所は把握できた。
 このまま尾行を続けると怪しまれるかもしれないと、
 後日改めてその家を確認し、少し離れたところで観察していた。

 夕方頃、あの時と同じ車が戻ってきた。
 そこから、姉さんとあの男が降りる。
 ハタから見たら、まるで新婚夫婦だ。

 ──許せない。
 姉さんが、兄さん以外の男といい雰囲気になるなんて。
 何かの間違いだ。

 ああ、そうか。
 無理矢理この家に住まわされてるんだ。

 それなら、俺が近いうちに連れ出してあげるよ──。

「姉さん、見ーーつけた」
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