偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
「あら、先ほどの方は、もうお帰りですか?」

 カウンセリングが終わった頃に、リアちゃんが再びリビングに入ってきた。

「あ、ああ……」

 もしかして、来るご婦人方それぞれにリアちゃんの事を説明しなきゃいけないのか!?
 ええと、今日はあと……三人か!
 リアちゃんが、俺の事をダニエルと思ってる限りは、俺の奥さんって言うわけにもいかんし……。いやそれ以前に年齢的に無理があるだろ!
 もういっその事、ポポロムの奥さんって事にしちゃう!?
 もう、みんな絶対そう思うんだから!

 いやいや、待て。落ち着け。
 最初のご婦人には、違うって言っちゃったし……。
 リアちゃんのいないところで、正直に言うしかないか……。

 結局、記憶を無くした親戚の子を預かっていて、俺の事を父親と勘違いしている……と説明した。
 本当の事でもないが、嘘ではない。無難な言い訳が思いついて良かった。


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