偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 数時間後──

「はー。今日はなんか疲れたぁー」
「お父様、お疲れ様でした。お茶を淹れましたよ」
「ありがとうー」

 カウンセリングの時とは違うお茶を用意してくれた。

「ああ、今日はポポロムは遅くなるって言ってたから、リアちゃ──リアは、先に風呂に入っちゃっていいからね」

 リアちゃんは、ゴンドル族ということに引け目を感じているのか、少し遠慮がちなところがある。こちらからどうぞ、と言ってあげれば、素直に頷いてくれると思ったのだが。

「そんな! お父様より先にいただくわけにはいきません! お父様から、ぜひ入ってください」

 ううむ、やっぱり遠慮しているのかな。
 しかし、俺も疲れているので、言い合いになるのは避けたかった。
 ここは大人しく、お言葉に甘えることにしよう。


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