偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 あまりにもすぐだったので、老婦人が何か言い忘れでもしたのだろうかと、玄関を開けてしまった。
 そこには、数ヶ月ぶりに会う義弟(おとうと)が立っていた。

「姉さん、久しぶり──」

「テオ!?」

 笑顔いっぱいのテオが、するりと入ってきた。
< 69 / 252 >

この作品をシェア

pagetop