偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 テオは、いつもの明るい調子で言った。
 優しい義姉(あね)なら、これですぐにスマホを出してくれる──と思っていた。
 しかし、返事は思っていたのと違った。

「えっ? お兄様と連絡を取るの……?」
「うん」
「テオ、実はね、私はテオと会っちゃいけないってことになってるの。だから、お兄様に連絡を取るのは、ちょっと……」

(ちぇっ……。誰かに事前に釘を刺されているな、これは)

「本当は家にも入れちゃいけないのよ。テオ、あなた一体、何をしたの……?」

 テオは、リアから初めて疑いの目を向けられた。
 今までとは違うその眼差しに、ゾクリと背筋が震えるような快感を覚えた。

(いいなぁ……。今度は、優しくできるかな……?)

「ニュースでは、ある女性に暴行って……。テオ、まさか──」

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