偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 リアが言いかけた時、リビングの方でスマホが鳴った。
 二人とも一瞬ビクッとなったが、お互いを警戒して身動きが取れない。

「……姉さん、電話、出なよ」
「……」

 リアは、テオを警戒しつつリビングに戻った。


「はい、お兄様? ええ。はい、特に──」

 電話は、義兄(アルフレッド)からだった。
 リアが一人で留守番していると聞き、心配してのことだった。

「もう、そんなに朝から何度も電話してこなくても、留守番くらいちゃんとできます──」

 子供じゃないんだから、という風に、リアは電話の向こうの義兄に対して言った。
 しかしその時、横からヒョイとスマホをテオに取られてしまった。

「あっ」

『リア?』

 スピーカーから、アルフレッドの声が聞こえた。

「やあ、兄さん──」

『テオ!? なぜそこがわかった……!?』

「さあ、なんでかな?」

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