偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 バタン! と勢いよくリビングの扉が開き、男が入ってきた。

「えっ!?」

 二人は、いきなり入ってきた男の姿を見て驚いた。
 出入口側にいたテオは、あっという間に取り押さえられた。

「警察です! 動かないでください!」

「くっ……!」

 テオは私服姿の警察官に、後ろ手に掴まれた。

「被疑者、確保しました!」
「え? ……えっ?」
 
 何故警察が? とリアは困惑するばかりだった。

「なんで……こんな早く……っ!」
(罠──!? そんな、だって姉さんは何も……)

 手錠をかけられながら、テオは不思議に思っていた。
 義姉(リア)は、器用に嘘をついたり、演技ができる性格ではないからだ。
 
(まさか──姉さんには、何も知らされていなかった!?)

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