偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
兄が、自分を捕えるためにそんな危険な賭けに出るなど、まったくの予想外だった。
自分を捕らえた警察官は私服だった。ならば、一般人に紛れてあらかじめ周辺を警戒していたということになる。計画されていた罠だったと知ると、テオは観念した。
『よし、そのまま連行しろ。被害者へのケアも忘れるな』
警察官のイヤホン型の無線から、別の警察官の指示がかすかに聞こえた。
「ご協力、感謝いたします!」
「えっ? 協力……? えっ?」
私服警察官に言われたが、リアは混乱していた。
わけがわからないまま弟が捕えられてしまい、どうすればいいのかまったくわからなかった。
「詳しい話は、先生方に聞いてください。では……」
「ま、待ってください! テオは、どうなるんですか!?」
罪を犯したのかもしれない。けれども、自分の目の前で義弟が捕えられて、さすがにリアも黙っていはいられなかった。
「とりあえずは留置所へ行きます。その後は、事件を詳しく調べてからとなります。まあ、彼の場合はおそらくすぐに拘置所になると思いますが……」
事情を知る私服警察官は、リアを憐みの目で見て言葉を詰まらせ「では、我々はこれで」と、テオを連れて行こうとする。
「テオ……!」
「姉さん……ばいばい」
自分を捕らえた警察官は私服だった。ならば、一般人に紛れてあらかじめ周辺を警戒していたということになる。計画されていた罠だったと知ると、テオは観念した。
『よし、そのまま連行しろ。被害者へのケアも忘れるな』
警察官のイヤホン型の無線から、別の警察官の指示がかすかに聞こえた。
「ご協力、感謝いたします!」
「えっ? 協力……? えっ?」
私服警察官に言われたが、リアは混乱していた。
わけがわからないまま弟が捕えられてしまい、どうすればいいのかまったくわからなかった。
「詳しい話は、先生方に聞いてください。では……」
「ま、待ってください! テオは、どうなるんですか!?」
罪を犯したのかもしれない。けれども、自分の目の前で義弟が捕えられて、さすがにリアも黙っていはいられなかった。
「とりあえずは留置所へ行きます。その後は、事件を詳しく調べてからとなります。まあ、彼の場合はおそらくすぐに拘置所になると思いますが……」
事情を知る私服警察官は、リアを憐みの目で見て言葉を詰まらせ「では、我々はこれで」と、テオを連れて行こうとする。
「テオ……!」
「姉さん……ばいばい」