偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
 テオは笑顔を返した。
 遅かれ早かれ、こうなるだろうと。
 自分は捕まるべき存在なのだと──心のどこかで思っていた。

 リアの想いも虚しく、リビングの扉は無情にも静かな音を立てて閉じられた。



「リアさん、大丈夫ですか? 何もされていませんか!?」

 リアが茫然としていると、入れ替わるように女性警察官が入ってきた。

「は、はい……。特に、何も……」
「お家の人が帰って来られるまで、待機していてくださいね。我々は、現場検証させていただきます」

 そう言われるや否や、数人の警察官が入ってきた。
 主に盗聴器や盗撮用カメラがないかどうかをチェックしているようだった。
 何もできないリアは、邪魔にならないように廊下へ出て待機していた。

「リ、リアちゃん……」
「おばあちゃん!」

 先ほどハンカチを取りに来た老婦人が、リアを心配してこっそりと玄関から顔を覗かせた。

「ああ、良かった! 急に警察の車がたくさん来たものだから! リアちゃんが無事で良かった……! どうしたの? 泥棒でも入ったの?」

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