偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
アルフレッドは、慌ててイヤホンに集中する。
そして、預かっていた端末のボタンを押した。
この辺りを管轄するディルクにすぐに繋がり、これで周囲にいる私服警察官に一斉に連絡が行くはずだ。
少しでも状況を引き延ばそうと、アルフレッドはリアに電話をかける。
リアは、特別変わったことはないと言って平静を装っていた。
これには一瞬、テオを庇おうとしているのかと焦った。
『もう、そんなに朝から何度も電話してこなくても、留守番くらいちゃんとできます──』
リアが通話を切ろうとしたので、なんとかしなければと思った。
その時、テオがリアの電話を奪ったのだろう、『やあ、兄さん』と調子のいい声が聞こえてきた。
他人が聞けば、人当たりのいい心地よいトーンの声。
しかしアルフレッドには、鳥肌の立つような異音に聞こえた。
(テオ、電話に出てくれて感謝する──)
そして、預かっていた端末のボタンを押した。
この辺りを管轄するディルクにすぐに繋がり、これで周囲にいる私服警察官に一斉に連絡が行くはずだ。
少しでも状況を引き延ばそうと、アルフレッドはリアに電話をかける。
リアは、特別変わったことはないと言って平静を装っていた。
これには一瞬、テオを庇おうとしているのかと焦った。
『もう、そんなに朝から何度も電話してこなくても、留守番くらいちゃんとできます──』
リアが通話を切ろうとしたので、なんとかしなければと思った。
その時、テオがリアの電話を奪ったのだろう、『やあ、兄さん』と調子のいい声が聞こえてきた。
他人が聞けば、人当たりのいい心地よいトーンの声。
しかしアルフレッドには、鳥肌の立つような異音に聞こえた。
(テオ、電話に出てくれて感謝する──)