偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜



「……という具合さ」

 カルステンの話を聞いて、リアは開いた口が塞がらなかった。

「ひ、ひどいです、みんな! どうして私に相談してくれなかったんですか!?」
「いや……。相談したら、おまえはすぐに顔に出てしまうだろう……?」

 嘘がつけず素直なリアに、事前に本当のことを言うわけにはいかなかった。
 アルフレッドにとっても、これは賭けだった。
 テオを捕えるには、リアを囮にするしかなかったのだ。
 
「怖かったんですよ……。テオは、笑顔なのに……。なんだか、怖かったです……」

 リアは、カルステンに泣きついた。

「悪かったよ、リア……。うまくいったから良かったものの、ちょっと強引だったな」

 カルステンは、義父(ダニエル)として、リアの頭を優しく撫でた。

「でもこれで、一安心ですね」

 ポポロムは、リアへの危険が去ったことに胸を撫で下ろした。

「まあ、俺とポポロムは、まだ一仕事あるけどな……」
「そうですね」
「一仕事……?」

 意味ありげに目を合わせるカルステンとポポロムを、アルフレッドは不思議そうに見た。
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