偽りのトリアーダ〜義兄弟の狂愛からは逃げられない〜
***

 
 昨夜──
 テオが逮捕され、4人はささやかな夕食を摂っていた。

「いや、それにしても本当に、うまくいって良かった」

 カルステンはグラスを片手に、酒の肴をつまみながら言った。
 そこへ、顔を赤くしたリアがカルステンに近づき呂律の回っていない言葉を発する。

「本当れすよ、お父様! 私、怖かったんれすよ!?」
「悪かった……。悪かったよ……」

 カルステンはグラスを置き、宥めるようにリアの背中を撫でた。
 まさか、リアがここまで深酒をするとは誰も思わなかった。

「おい、リアちゃんに酒飲ませたの誰だ……?」
「すみません、いつの間にか……」

 心配してそのまま滞在していたアルフレッドは、帰路の事も考えてソフトドリンクを飲んでいた。
 リアは普段酒をあまり飲まない方だった。家族であるアルフレッドさえ、ここまで酔っているところを見るのは初めてだった。じっとしていられないのか、目が据わったままカルステンに甘え、泣きついていた。

「リアさん、絡み上戸だったんですね……」

 ポポロムは、軽めの発泡酒を嗜む程度に飲んでいた。
 それを聞いたリアは、果実酒の入ったビンを勢いよく机に置く。

「もっと! もっと注いでちょうらい!」
「リア、飲み過ぎだ」

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