私達離婚しましょう~形だけの妻なのに離婚を申し出たら逆に溺愛されてます~
「俺、何かした?」

「逆です。あなたはこの5年間、何もしてこなかったでしょう。」

すると、後ろから紙を破る音がした。

振り向くと、夫が離婚届けを破いている。

「どうして破くの?」

「離婚はしない。」

夫の目には、涙が溜まっていた。

「もう嫌なの。お飾りの妻はもう嫌なの!」

「ごめん。」

夫は、私を抱き寄せると力いっぱい抱きしめてきた。

「ごめん。」

夫が泣いている。

「今更、謝られたって。」

離れようとしても、夫が離してくれない。

「ほのか。」

夫と目が合うと、唇が重なった。

柔らかい唇が、何度も何度も私の唇に押し付けられる。

角度を変えて、何回も。

そして、服の中に夫の手が入ってくる。

ピクッと身体が反応すると、夫のキスは欲情の口づけに変わった。
< 12 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop