私達離婚しましょう~形だけの妻なのに離婚を申し出たら逆に溺愛されてます~
汗ばんでいる肌が、逆に私の身体に吸い付いて離れなかった。

「もう、俺に飽きた?」

私は夫を見上げた。

「時々さ、こんなにセックスしてたら、俺に飽きるんじゃないかって、そう思うんだよね。」

「ううん。」

私は夫に抱き着いた。

「女って、セックスを重ねる度に、相手を好きになっていくのよ。」

「そうなの?」

思えば、どうして夫がいなくて虚しくなったのか。

夫との幸せな生活を、思い描いていたからだ。

でも今は、夫のいる生活が当たり前になっている。

私は、幸せだ。

そう思いたい。


久しぶりに夫の出勤の日。

私は車で、夫を病院まで送った。

「送ってくれてありがとう。」

「行ってらっしゃい。気をつけて。」

夫と見つめ合うと、キスをした。
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