私達離婚しましょう~形だけの妻なのに離婚を申し出たら逆に溺愛されてます～

「上手くやってたら、ここに来てないわ。」

私は父親の側に座った。

「ねえ、守さんとの結婚。どうしてお父さんは、私に守さんを紹介したの？」

「紹介ねえ。まあ、娘さんをぜひと言われたらなぁ。」

「えっ？」

どういう事？誰かが私を、先に守さんに紹介した？

有り得ない。守さんとの接点は、なかったのだし。

「ある日、守君の病院の院長から、ぜひ娘さんを紹介して欲しいんだと言われて。どういう事ですか？と聞いたんだ。」

「それで？」

「おまえを見た守君が、一目ぼれしたから、ぜひ紹介して欲しいと院長に頼み込んだみたいだよ。」

「一目……惚れ……」

あの、物静かで無口な守さんが？院長に頼み込んだ？

「そう言われれば、娘を持つ親は紹介してしまうよ。あれよあれよと、結婚してしまったし。」