私達離婚しましょう~形だけの妻なのに離婚を申し出たら逆に溺愛されてます~
それがなんだか、心地いい。

「お父さんから、結婚の時の話、聞いたわよ。」

「えっ。」

私達は見つめ合った。

「守さんが、私をぜひ紹介してくれって、頼んだって。」

「うわーっ!お父さん、それしゃべったのか!」

守さんは、額に手を当てて恥ずかしそうにしている。

「絶対、秘密だって言ったのに。」

「どうして?」

恥ずかしそうな顔をして、守さんは私をチラッと見た。

「一目惚れしたから、お見合い頼んだなんて、キモイと思われるじゃん。」

私は大笑いした。

「そんな風に思ってたの?」

笑いが止まらなくて、お腹が痛くなってきた。


「あーあ。もう笑い疲れちゃった。ご飯にしましょう。」

私が守さんから離れて、背中を見せた時だ。

守さんが、私を後ろから抱きしめた。
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