私達離婚しましょう~形だけの妻なのに離婚を申し出たら逆に溺愛されてます~
キレイという言葉に、反応してしまう。

「だから、普通に口説いてもダメだと思った。その時院長が、知り合いのお嬢さんだって言ってきて……思わず見合いを……紹介を頼んだんだ。」

そんなに必死に私を望んでくれていたなんて。

「だったら……どうして……」

「ん?」

「結婚しても、家に帰ってくれなかったの?」

守さんは、私をぎゅっと抱きしめた。

「ほのかに見合った男になりたかった。早くできる医者になりたくて、必死だった。ほのかの前ではカッコいい男でいたくて、クタクタになってる姿なんて、見せたくなかった。」

耳元の低い声が、余計に心に響いて。私も守さんをぎゅっと抱きしめていた。

「そんな事……気にする事ないのに。夫婦でしょ?弱い部分も見せて欲しかったな。」
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