私達離婚しましょう~形だけの妻なのに離婚を申し出たら逆に溺愛されてます~
言って損をした。

私はくるりと背中を見せると、宿直室を出た。

もう誕生日も覚えていない人を、パートナーと呼んでいいのだろうか。


急いで階段を降りようとした時だ。

「あっ、美緒先生。また白木先生と話してる。」

その言葉に、振り返った。

美緒先生?

目線が夫を探すと、外科の受付の角で、夫と綺麗女医さんが、仲良く話しているのを見た。

しかもその美緒先生と呼ばれる女医さんは、明らかに夫に恋をしているようだった。

「二人、お似合いよね。」

「結婚しないのかな。」

「でも白木先生って、結婚してるんでしょ?」

「ウソッ!」

頭が真っ白になった。

夫が家に帰って来ないのは、あの美緒先生という人がいるから?

いつから?私と結婚する前から?

胸がざわついた。
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