私達離婚しましょう~形だけの妻なのに離婚を申し出たら逆に溺愛されてます~
でもなぜか、今は年下の彼に甘えたい。

「……夫は、家に帰って来ないの。」

「えっ?」

「結婚してから一度も、家に帰らないで、宿直室に泊まっているの。ううん、もしかしてそれは口実で、実は相手の女性の家に、泊ってるのかもしれない。」

私の目から涙が零れ落ちて、テーブルに滴が落ちた。

「離婚した方がいいと思う。」

「勇気君……」

「それって、結婚生活破綻してるじゃないか。そんなの、幸せじゃないよ。」

勇気君に言われて、改めて気づいた。

そうなのだ。私と夫との結婚生活は、破綻しているのだ。

「でも、離婚したって……」

「俺と結婚しよう。」

真剣な眼差し。真っすぐ私を捉えて、離さない。

「大丈夫だから。俺がほのかさんを、幸せにするから。」
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