根暗陰キャ君と、同居することになりました。
喧嘩
お風呂に浸かって、のんびりスキンケアをして、自室に入る。
隅風草汰さん……不思議な人だったな……。
スマホを開くと、1件の通知が。
なんだろ……?
あれ、この人知り合いじゃない……。
『知り合いではないユーザーです』
名前は……"ソウ"?
『1件のメッセージが届きました』
なんだろう……ちょっと怖いな……。
「陽葵さ……陽葵!」
コンコンコンッとノック音が聞こえてきた。
「ちょっと、スマホ貸して」
「なんで?」
「ちょっとスマホの充電切れちゃって。ほんの少しでいいから」
なんで焦ってるの……?
不思議に思いながらもスマホを渡す。
「……っ」
画面を少し睨みつけたあと、何やら文字を打っている。
「ありがとう」
返されたスマホをチェック。
検索履歴……あ、"今日のニュース"ってのが増えてる。真面目だなぁ。
家庭学習のネタにでも使ったのかな?
って、あれ、さっきのメッセージが消えてる……!
慌てて相手を探すと、ブロックリストから見つかった。
トーク履歴も全部削除されてる……。
これは、一言言ってやらなきゃ、気が済まない。
スマホを持って、涼蜜の部屋のドアを叩く。
「はい……」
ガチャリとドアが開いて。
「何これ」
トーク履歴を突きつけた。
「……っ」
ごくり。涼蜜が息を飲む。目がまん丸に開いて。顔色を真っ青にして。
しまった、と言わんばかりの顔を見せる。
「何がしたかったの?」
俯いて、何も喋ろうとしない涼蜜。
だんだんと、怒りが込み上げてきて。
だんまりを貫くつもり?
……なら、とことん言うけど。
「この人、知り合いじゃないユーザーって表示されてるけど、クラスメイトとか、他校の友達とかもこうやって反映されるんだけど」
びくりと、肩が震えた気がする。
けど、そんなことどうでもいい。
「この人が悪質なストーカーで、うちをコイツから守ったつもり?どうすんの、学校の先生からだったら!? バイトの面接の連絡だったら!? ……何かしらの、大事な連絡だったら!!」
「……っ」
「どう責任を取るつもりだったの!?」
頭に血が登ったうちは、涼蜜に掴みかかる。
「陽葵!やめなさいっ!!」
ガッと後ろから抱きしめられ、後ろに引き寄せられた。
「……お母さん……?」
「涼蜜、少しこっちに来なさい。……光莉さんすみません」
「いえいえ、とんでもないです。こちらこそすみません……」
そのままうちは1階へと降ろされ、リビングのソファーに座らされる。
「陽葵。お母さん、怒ってることが1つあるの。何だかわかる?」
怒ってる、こと……。
「……涼蜜と、揉めたこと……」
「ううん。そんなことで怒ってないの」
お母さんはうちの頭を優しく撫でてくれる。
「どんなことがあっても、手を出してはいけない」
うちの手を握って、お母さんは口を開く。
「涼蜜くんと、無理に仲良くする必要はないのよ。陽葵が嫌なら、お母さん、同居を辞めたっていいと思ってる」
お母さん……。
裕太さんと、せっかく一緒に暮らせて、嬉しいはずなのに。幸せでいっぱいなはずなのに。
その幸福を、ぶち壊してしまった。
罪悪感が押し寄せてきて、目から涙が溢れ出た。
「責めてるわけじゃないの。ゆっくり、落ち着いて問題を解決していきましょう?」
こくりと頷くと、お母さんはニコッと微笑んだ。
「じゃあ、今日は2人で外食してくるって、裕太さんに言ってくるわね」
「え?」
外食って……2人で?
「お母さんと陽葵だけの時間も、たまにはいいでしょう?」
そう言うと、お母さんはパチンとウィンク。
そのまま2人で車に乗り込んだ。
隅風草汰さん……不思議な人だったな……。
スマホを開くと、1件の通知が。
なんだろ……?
あれ、この人知り合いじゃない……。
『知り合いではないユーザーです』
名前は……"ソウ"?
『1件のメッセージが届きました』
なんだろう……ちょっと怖いな……。
「陽葵さ……陽葵!」
コンコンコンッとノック音が聞こえてきた。
「ちょっと、スマホ貸して」
「なんで?」
「ちょっとスマホの充電切れちゃって。ほんの少しでいいから」
なんで焦ってるの……?
不思議に思いながらもスマホを渡す。
「……っ」
画面を少し睨みつけたあと、何やら文字を打っている。
「ありがとう」
返されたスマホをチェック。
検索履歴……あ、"今日のニュース"ってのが増えてる。真面目だなぁ。
家庭学習のネタにでも使ったのかな?
って、あれ、さっきのメッセージが消えてる……!
慌てて相手を探すと、ブロックリストから見つかった。
トーク履歴も全部削除されてる……。
これは、一言言ってやらなきゃ、気が済まない。
スマホを持って、涼蜜の部屋のドアを叩く。
「はい……」
ガチャリとドアが開いて。
「何これ」
トーク履歴を突きつけた。
「……っ」
ごくり。涼蜜が息を飲む。目がまん丸に開いて。顔色を真っ青にして。
しまった、と言わんばかりの顔を見せる。
「何がしたかったの?」
俯いて、何も喋ろうとしない涼蜜。
だんだんと、怒りが込み上げてきて。
だんまりを貫くつもり?
……なら、とことん言うけど。
「この人、知り合いじゃないユーザーって表示されてるけど、クラスメイトとか、他校の友達とかもこうやって反映されるんだけど」
びくりと、肩が震えた気がする。
けど、そんなことどうでもいい。
「この人が悪質なストーカーで、うちをコイツから守ったつもり?どうすんの、学校の先生からだったら!? バイトの面接の連絡だったら!? ……何かしらの、大事な連絡だったら!!」
「……っ」
「どう責任を取るつもりだったの!?」
頭に血が登ったうちは、涼蜜に掴みかかる。
「陽葵!やめなさいっ!!」
ガッと後ろから抱きしめられ、後ろに引き寄せられた。
「……お母さん……?」
「涼蜜、少しこっちに来なさい。……光莉さんすみません」
「いえいえ、とんでもないです。こちらこそすみません……」
そのままうちは1階へと降ろされ、リビングのソファーに座らされる。
「陽葵。お母さん、怒ってることが1つあるの。何だかわかる?」
怒ってる、こと……。
「……涼蜜と、揉めたこと……」
「ううん。そんなことで怒ってないの」
お母さんはうちの頭を優しく撫でてくれる。
「どんなことがあっても、手を出してはいけない」
うちの手を握って、お母さんは口を開く。
「涼蜜くんと、無理に仲良くする必要はないのよ。陽葵が嫌なら、お母さん、同居を辞めたっていいと思ってる」
お母さん……。
裕太さんと、せっかく一緒に暮らせて、嬉しいはずなのに。幸せでいっぱいなはずなのに。
その幸福を、ぶち壊してしまった。
罪悪感が押し寄せてきて、目から涙が溢れ出た。
「責めてるわけじゃないの。ゆっくり、落ち着いて問題を解決していきましょう?」
こくりと頷くと、お母さんはニコッと微笑んだ。
「じゃあ、今日は2人で外食してくるって、裕太さんに言ってくるわね」
「え?」
外食って……2人で?
「お母さんと陽葵だけの時間も、たまにはいいでしょう?」
そう言うと、お母さんはパチンとウィンク。
そのまま2人で車に乗り込んだ。