親を捨てました 〜家出編〜
2.物心

 私の最初の記憶は年少さんの時だった
その時担当していた保育士さんは今だったらニュースになるぐらいすぐ手が出る先生だった
私も叩かれたり押し入れに閉じ込められたりしていた

ある日お昼寝の時顔に衝撃がはしる
具合が悪くなったのか私は寝ながら吐いてしまっていた
それに腹を立てた保育士さんが私を叩いたのだ
たまたまその姿を母が目撃していた
その日予定があったのかお昼寝が終わったら母が迎えに来る日だった
母は叩かれた姿をみていたはずなのに何も言わなかった
幼かった私にはよく分からなかったが母がその事について何も言わないのを不思議に思っていた

母はこの時にはもう私の事がどうでもよかったのかもしれない
保育園の時にはすでに育児放棄がはじまっていた
公園に突然1人で置いていかれ何時間も外にいたり
家にいてもなぜか誰もいない時が多かった
意味はしっかりわかっていなくても【死ね】と【産まなければよかった】はなぜか胸のあたりがズキズキしていた
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